活動報告

日本臨床歯科学会広島支部(広島SJCD) 活動報告

平成27年10月18日例会活動報告

10月18日、広島県YMCA 国際文化センターにて、東京SJCD理事の松本邦夫先生をお招きし、例会が開催されました。

午前中は、広島SJCD会員3名のケースプレゼンテーションから始まりました。トップバッターは、新潟合同例会で発表された川本亨先生の「上顎右側中切歯の破折部の精査希望を主訴に来院した患者への包括的アプローチ」、次に竹北益生先生の「補綴前処置としての下顎大臼歯MTM症例」、最後に村木利彦先生の「インプラントを用いて残存歯の保護につとめ咬合再構成を行った一症例」でした。松本先生からそれぞれにコメント、アドバイスをいただきましたが、どの発表においても基礎資料の収集がきっちり行われていることについて高い評価を頂きました。

午前中の後半は、直接・間接覆髄・根管充填などにおけるMTAセメントの有効性について、約1時間半程度松本先生に講演していただきました。私見にはなりますが、特に印象に残ったのは、感染根管治療を行ってから補綴治療を行ったにもかかわらず、根尖病変の治癒が悪く、リトリートメントになるケースのお話でした。

午後は、いよいよ本題である松本先生の「ケースプレゼンテ―ションへの拘り」の講演でした。松本先生のこれまでの歯科医師人生の歩みから始まり「もっと早くSJCDに入会していれば」「40歳ぐらいから本気で勉強をやり初めた」などアットホームにお話ししていただき、楽しく聞かせていただきました。また、プレゼンテーション作成において重要なのは、テーマ(演題)とレクチャーの整合性であり、テーマによって焦点が変わり、内容のまとめ方も大きく変わることを学びました。同一症例に、異なるテーマ(演題)を設けて2つのプレゼンテーションを具体的に示して頂いたことで理解が深まり、今後のケースプレゼンテ―ション作成の大きなヒントとなりました。さらに、東京SJCDで若手のプレゼンテーション教育に力を入れていらっしゃる新藤先生が作成したスライドも見せていただきました。基本的なフォーマットは同じなのですが、アレンジの仕方が素晴らしく、ケースプレゼンテ―ション作成の楽しさを知ることにもなりました。

松本先生が今回提示された症例について、ご本人は「まだ勉強し始めて間もない頃だったが、偶然にできてしまった」と口癖のようにおっしゃっていましたが、言うまでもなくそれは高いレベルでのエビデンスに沿って治療を進めた結果得られたものです。その素晴らしい結果は、一人一人の患者としっかりと向き合い、日々の手抜きがない診療、また数々の拘りに裏付けられたものであり、「ケースプレゼンテーションへの拘り」とは「診療への拘り」の上に成り立つものであると実感しました。

 

<今回の展示参加業者様(50音順)>


 

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